前回までの流れ
こんにちは、こたろうです。
前回は呼吸器病の専門病院での診察を受け始め、MAC症(肺非結核性抗酸菌症)の治療開始には2度の喀痰検査が必要になることや、胃液検査をしたこと、治療開始と同時に入院を勧められたことなどを主にご紹介しました。
なぜ、ほとんど症状の出ていなかった私が入院による治療を受けることになったのか、その理由や流れについては前回までの記事でご紹介していますので、そちらについて知りたいという方は、まずそれまでの記事を読んでいただければと思います。
今回はいざ入院開始ということで、入院時の治療内容や、入院生活で体験したこと、感じたことなどをご紹介していきます。
入院に関する内容はかなりボリューミーになりそうなので、『治療内容編』と『入院生活編』に分けて記事にしていこうと思います。
今回は治療内容編ということで、入院期間中に受けた治療の内容や、治療を受けるにあたって私自身が感じたこと、事前に知っておきたかったことなどをご紹介していきます。
MAC症で入院した場合の一日の流れ
病気の種類にかかわらず入院というのは、したことが無い人からするとどんな生活をするのか、どんな治療をしてどんな検査を受けるのかなど、事前にイメージがしづらい部分も数多くあると思います。
病院により多少違いはあると思いますが、かけ離れて違うということはあまりないと思いますので、イメージがつかみやすいようにまずは1日の流れをご紹介したいと思います。
ちなみに、初日には身長と体重の測定がありましたが、2日目から最終日はほとんど同じスケジュールでした。
時間 | イベント |
6:00 | 起床、体温測定 |
7:30 | 朝食、飲み薬 |
9:00-11:00 | バイタル測定、点滴、採血 |
12:00 | 昼食 |
15:00 | 問診 |
18:00 | 夕食、飲み薬 |
21:30 | 消灯 |
朝は6:00を過ぎると担当の看護師さんが各ベッドを巡回して、体温の測定と体調確認をしてくれます。
朝食後すぐに、また看護師さんが各ベッドを回り、飲み薬を配布、確実に飲んだことを確認するためかごみはその都度看護師さんが回収していきます。
9:00を過ぎると血圧や血中酸素濃度などを計測する『バイタル測定』や点滴、日によっては採血など、私にとってのメインの検査や治療が行われます。
病棟のあわただしさによって9:00に開始される日もあれば10:30頃になる日もありました。
15:00頃になると主治医の先生が問診に来てくれるので、その日の体調を話したり、雑談をしたりします。
先生が病院に来ている日は毎日来て下さるので、些細な心配の相談や、今後の治療について話を聞くことが出来たりと、通院では中々時間が無くてできないような話まで出来たのはよかったと思っています。
18:00に夕食。朝食の時と同様夕食後すぐに看護師の方が薬を持ってきてくださるのでそれを飲んで一日が終わり。といった感じのスケジュールです。
入院での治療だからといって身構える必要は無し
一日の流れは大まかにイメージしていただけたかと思います。
私自身も入院する前日まではイメージもつかめず、どんな生活になるのかと不安に思っていましたが、MAC症で入院する場合、手術をするための入院でなければ身構えるようなことは待っていませんのでご安心ください。
飲み薬は看護師の方がすべて準備してくださるので言われたとおりに飲めばいいだけですし、検査や点滴といったイベントも午前中の1時間ほどで終わってしまうので、残りの時間というのはほとんど自由時間です。
検査や治療の内容に対して身構えがちになってしまうのは仕方のないことですが、MAC症を治療するための入院を経験した私からすると、あまりある自由時間をどのように使うかを考えておいた方が身のためになると思います(笑)
治療と感じられる治療は点滴だけ?
MAC症(肺非結核性抗酸菌症)の治療で入院した場合、緊急入院や手術のための入院ではなく、アミカシンという薬の集中投薬のための入院だった場合、治療と感じられるような治療は点滴以外にはありません。
実際には点滴を開始したことで体調に変化はないか、血液検査で内臓への負担がどの程度起こっているか、薬剤の血中濃度を調べて点滴1回の薬剤量を決めたりなど、点滴だけではない治療や検査が行われているのですが、患者側からするとあまり実感がなかったというのが正直な感想です。
点滴用の針は寝るときも刺しっぱなし
少し痛々しい写真をお見せしてしまい申し訳ありません。
これが点滴をするときに使っていた管の実際の写真です。
針と管が一体になっているのですが、管の先端(赤丸の部分)に点滴薬側の管を接続して点滴を行い点滴が終わると管を取り外して、針から赤丸で囲った部分までだけが残せるようになっています。
あまり病院にかかってこなかった私はこのタイプの注射はこの時に初めて見たのですが、実はこれ入院初日から退院するときまでずっとこの状態のままになります。
初日に点滴を終えてからそのことを知った私は、毎日注射をしなくてもいいことを喜ぶのと同時に針が体内に入っている状態で1週間以上過ごすことに大変不安を感じました。
腕を曲げたり伸ばしたりすると針が入っている場所に痛みを感じましたし、特に寝るときにも体内に針が入っている状態ですさまじく寝相の悪い自分は大丈夫なのだろうかと、起きたらベッドが血まみれになってるのではないかなど、いろいろなことを考えたのを覚えています(笑)
それもそのはず、この時は今までにもよく見てきた金属製の針がそのまま体内に残っていると思っていたのです。
実は、針を刺すときは金属製の注射針ですが、体内に残るのは弾力性のあるプラスチック製の管のみ。
多少動かしたからと言って危険な状態にはならないように、きちんと配慮された構造になっていたのです。
しかしこたろうがそのことを知るのは退院の日に管を抜いてもらうとき…。
これから入院される方で事前にこのことを知れた方は安心してお過ごしください(笑)
尿が赤くなる!?
痛々しい話の次は汚い話で申し訳ありません…。
これはMAC症(肺非結核性抗酸菌症)の治療を受ける方の多くが経験することになると思われる状態です。
なぜかというと、飲み薬として処方される『リファンピシン』という薬の影響だからです。
『リファンピシン』という薬を服用すると、尿や便、唾液、痰、汗、涙が赤色になったり、コンタクトを使われている方だと、コンタクトに色がついてしまうこともあるそうです。
病院の先生からは赤くなると聞いていたのですが、実際には濃いオレンジ色に近い色です。
この色の絵の具を水に溶かしたようなイメージが近いと思っています。
ちなみに、何に色がつくのかには個人差があるようで、私の場合は尿と便は着色がありますが、汗や涙の色には変化が無いように感じています。
赤い尿を初めて見た時はぎょっとしますが、『着色されている=薬の成分がちゃんと吸収されている』ということなので安心してください。
入院される方で、コンタクトレンズを使用されている方は着色が起こる可能性がありますのでメガネの持参をお忘れなく。
MAC症(肺非結核性抗酸菌症)の治療で使われる薬によっておこる副作用や、その検査、生活への影響などは下記の記事にまとめていますので、興味のある方は見てみてください。
さいごに
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は入院生活の治療内容編ということで、入院時の一日のスケジュールや治療内容に関することをまとめてみました。
入院するとなると、少なからず不安を感じる方がほとんどだと思いますが、MAC症(肺非結核性抗酸菌症)の場合、手術のための入院や緊急入院でなければ身構えるようなイベントは待っていないということがお判りいただけたのでは無いかと思います。(注射が苦手すぎる方はごめんなさい)
実際私も少し身構えて入院しましたが、右腕に金属の注射針が入りっぱなしになっているという勘違い以外には特に治療内容でストレスを感じることもなく過ごすことが出来ました。
治療内容ではストレスを感じることはほとんどありませんでしたが、何かと気にかかることがあったのはむしろ入院生活の方でした…。
次回は治療とはあまり関係のない、入院生活について感じたことなどを取り上げ、次に自分が入院することになったらどのような対策を取ろうと思っているかなどをご紹介したいと思います。
これから入院される方には今回の記事より役に立つ内容になるかもしれません(笑)
ぜひ一読していただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。
【参考 お薬のしおり:東京医科大学病院 薬剤部】