脇腹の痛みの原因は結核!?MAC症の初期症状とは?(MAC症治療記①)

MAC症治療記

はじめに

こんにちは、こたろうです。
MAC症(肺非結核性抗酸菌症)という肺の病気と診断され、約1年ほど治療を続けています。

MAC症はまだ比較的珍しい病気で、患者目線での情報が多くないというのが私の印象です。
私が病気の診断を受けて情報を探していたときはどんな治療をして、どれくらいの費用がかかるのかなど、一人の患者として知りたかった情報を集めることが出来ませんでした

私が治療を通して経験したことや感じたことを記録しておき、今後少しでも誰かの役に立てばと思いこのブログを立ち上げました。


『MAC症治療記』というこのシリーズでは、私がMAC症(肺非結核性抗酸菌症)と診断されるところから、現在まで行ってきた治療の内容や入院していた時のこと、これからの進展を時系列で日記風に記録していこうと思っています。

日記形式にすると散文になってしまうと思いますが、その方が私自身が感じたことを率直に伝えられると思いますし、情報をより多く書き込めると考えたからです。

病気のことや治療方法、費用についてなど、情報を簡単にまとめた記事もご用意していますので、特定の情報を探しにいらした方は、そちらをご覧いただくか、サイドバーに設置しているサイト内検索をお使いいただければと思います。

前置きが長くなりましたが、『こたろうのMAC症治療記』スタートしたいと思います。

脇腹の痛みの原因は結核!?

私が今の病気と付き合うことになった、大げさに言えば人生が大きく変わった日のこと。
病院を受診することにした原因は突然感じるようになった左側の脇腹の痛みでした。

痛みは常にズキズキと痛みを感じるような状態で、深呼吸のように大きく息を吸い込もうとしても激痛が走り息を吸い込めないような状態でした。あくびや背伸びでも特に痛みを感じました。

脇腹や背中に痛みを感じるという症状は、実は数年前から冬場に気温が低くなるとしばしば起こっていたのですが、数日で治っていたので季節の変わり目だからと決めつけて病院を受診することはありませんでしたが、今回は1週間経っても痛みは一向に収まらず、強くなってきてすらいると感じたのでさすがに病院に行くことにしたのです。

こたろう
こたろう

左側の脇腹に1週間ほど前から痛みを感じます

内科の先生
内科の先生

神経痛か何かでしょう。念のためレントゲンを撮ります。

この時はまだ内科の先生も軽い感じの診察でしたので、私自身も大したことは無いのだろうと思っていたのですが、胸部エックス線検査が終わり再度診察室に入るとびっくり。
先生をはじめ看護師の方々も医療用の見た目にもいかついマスクを装着していて、これはただ事ではないぞと身構えたのを今でも覚えています。

それもそのはず、レントゲンで『結核』特有の白い影が映ったことにより、結核に感染している疑いが出たためでした。

ちなみに『結核』と聞いて、「現代でも結核に感染する可能性があるの!?」と思われた方もいるかもしれません。実は私も先生から「結核かも」と聞かされた瞬間は同じようなことを考えました。
「(結核って沖田総司の死因と言われている病気でしょ?現代でもまだ感染する可能性があるの!?)」とこんな感じです(笑)

結論から言うと、結核は現在でも感染する可能性があります。
毎年約2万人が新たに結核と診断され、約2,000人が毎年結核が原因で死亡しているそうです。

ちなみに、初期症状は一般的に風邪と言われるような症状とよく似ていて、微熱や痰、倦怠感や寝汗などの症状が出るそうです。
もし風邪のような症状がでて、しばらくしてもよくならない場合は念のため病院を受診するようにしましょう。もしかしたらあなたも『結核』に感染しているかもしれません。

ちなみに結核を発症すると風邪のように自然治癒することはありません。
もし2週間以上咳や痰、微熱などの症状が続いている方がいたら、病院で検査を受けることをお勧めします

MAC症(肺非結核性抗酸菌症)の初期症状

私は初診時には脇腹の痛み以外は特に自覚症状がありませんでした。
ちなみにMAC症の初期症状としては以下のようなものがあるとされています。

MAC症の初期症状

・咳
・痰
・微熱
・寝汗

また、進行すると血痰が出たり体重減少、全身倦怠感、胸の痛み、息苦しさなどの症状が出るとされています。

MAC症と診断されて初めて、自覚していなかった症状がMAC症によるものであった可能性が高いと思うようになりましたので、意識の変化をまとめてみました。

診断前の考え方診断後の考え方
たまに咳が出る喫煙による症状MAC症による症状
しばしば痰が絡む喫煙による症状MAC症による症状
稀にひどい寝汗をかく厚着し過ぎMAC症による症状
突然息苦しくなることがあるコロナ禍で常にマスクをしているからMAC症による症状
冬になると胸や背中が痛むことがある軽度の自然気胸か何かMAC症による症状

すべての症状がMAC症による症状ではなかったのかもしれませんが、改めて文字に起こしてみるとこれだけ身体に不調があったにもかかわらず、何かと理由をつけて医療機関を受診することを避けていたと考えると恐ろしいことです。

身体の不調を感じたら早めの受診を!

いろいろな場所で聞く言葉ですよね。私自身もいろいろな場所で聞き、いろいろな場所で見てきました。
それでも自分が病気と診断された今、改めて伝えたい言葉だと感じています。

身体の不調を感じていても、「仕事が忙しいから」、「病気と診断されるのが怖いから」、「病院へ行くのが億劫だから」などなどなど…適当な理由をつけて後回しにしていませんか?

「毎年健康診断を受けているから大丈夫?」
私は数年前から健康診断で胸部エックス線検査に影が映っていたにもかかわらず『良好』という結果で見逃されていました
見逃されていたのが進行が比較的遅い病気だったことが不幸中の幸いです。

少しでも不調が続いている、毎年同じ時期になると起こる症状があるなど、些細なことでも一度受診してみてはいかがでしょうか?何も見つからなければそれで安心できますし、病気が見つかっても早めに見つけられれば大きな成果です。

肺の状態を詳しく調べるための胸部CT検査

さて、少し話がそれてしまいましたが、初診時の話の続きに戻りたいと思います。

胸部エックス線検査で肺に結核によるものと思わしき白い影が映ったこともあり、より詳しく肺の状態を調べるために胸部CT検査を受けることになりました。


CT検査は身体を輪切りにした断面の画像を見ることが出来るようにする精密検査です。
私の場合はCT検査で肺にいくつもの空洞が出来ていることが分かりました。

『空洞』というのは肺の内部で菌が増殖することによって肺の組織が壊され、文字通り『からっぽ』の状態になってしまっている部分のことを言います。

その部分はもちろん肺としての機能は失われてしまっているので、呼吸機能はその分低下していることになりますし、空洞の部分は菌が増殖しやすい環境であることから、菌の温床になっている可能性が高いそうです。

結核であることを断定するための喀痰検査

エックス線検査やCT検査で結核特有の状態が写されることで、ある程度結核であるということは予測できるそうですが、本当に結核を発病しているかどうかを確認するためには『喀痰(かくたん)検査』という検査を受けます。

シリンダーの様な小さな容器に痰を吐き、その中に結核菌がいるかどうかを顕微鏡で確認するという検査です。
ちなみに結核菌とMAC症の原因となるMAC菌は見た目がよく似ていて、見た目だけでは判別が出来ないため、DNA検査を行って最終的な判断をするそうです。

また、検査のために菌を培養する必要があるため、喀痰検査の結果が分かるまでには痰を採取して検査が開始されてから短くて2週間、長いと2カ月近くもかかる場合があります
私も初診時に痰を提出し、結果が出たら連絡しますと言われてその日の診察は終了となったのですが、結果が出るまでにそんなにも長く時間がかかるとは知りませんでした。

結核かもしれないと言われてから結果の連絡を待つ時間というのは不安のせいもありとても長く感じたのを記憶しています。
初診から1週間ほど経ったところでこちらから「まだですか?」という連絡をして初めて、結果が出るまでには早くて2週間かかるということを知りました。

医療機関の関係者からすると当たり前の話なのかもしれませんが、一人の患者からすると検査にかかる時間は一度受けてみないと知りようがないと思います。
初めから知っていれば、もう少し気長に検査結果を待つことが出来たのにと感じました。
同じように喀痰検査を始めて受けた方が早めにこういった情報に出会い、少しでも不安な時間が減ればいいなと思います。

MAC症の初診時に発生した費用はどれくらい?

病気と診断されて、身体の次に心配になるのは検査や治療にかかる費用、つまりお金の話ではないでしょうか?
私もMAC症と診断されてから、仕事やお金のことが気になり自分なりに調べてはみましたが、参考になりそうな情報は見つけることが出来ませんでしたので、参考程度に情報を残しておこうと思います。

初診で受けた検査は4種類、薬は痛み止めのみの処方でした。

検査、薬費用
胸部エックス線検査約600円
胸部CT検査約7,500円
喀痰検査約3,000円
血液検査約2,500円
痛み止めの薬(処方箋料含む)約700円

初診時は受けた検査項目などが多かったということもあり初診料などを含めると合計で約15,000円の費用が発生しました。
私はそれまで病院へ行くことはほとんどなく、予防接種を受けに行くくらいでしか受診したことが無かったため、正直なところこんなにお金がかかるの!?と感じるとともに、これが毎回のように発生したら相当な出費になると冷や汗をかいたのを今でも覚えています。

この記事を読んでくださっている方の中にも、こんなにかかるのかと思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、入院を除く1回の通院で発生した費用としてはこの時が最も大きな出費でした。
その後は1回の通院で1万円を超える費用が発生したことはありません。ひとまずはご安心ください。

結核だった場合は入院による治療が必要

さて、ここまで初診時の検査内容や、発生した費用についてご紹介してきました。
次の記事で改めてご紹介しますが、私は喀痰検査の結果『肺非結核性抗酸菌症』という病気であることが分かります。

ちなみに、喀痰検査の結果、当初の想定通り『結核』と診断された場合は、感染の拡大を防ぐためにも入院勧告という形で、ほぼ強制的に入院による治療を受けることとなります。
入院期間は病状によりますが1-3カ月ほどですが、結核は医療費の公費負担制度があります。

簡単に説明すると検査や、治療にかかった費用を自治体が負担してくれる制度があるということです。
検査等の費用については自己負担は5%。入院にかかる費用は全額公費負担となり、自己負担はありません。
1-3カ月の入院には相当の費用が発生しますから、これはとても助かりますね。

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回は初診時に受けた検査や、発生した費用について主に記載しておきました。

次回はMAC症と診断されてから転院、入院するまでの流れなどを書こうと思っています。

もし私と同じようにMAC症と診断され治療を受けている方が読んでくださっていたら一緒に頑張りましょう。
治療期間が長くなり、腐りそうになることも時々ありますが、それでも前に進むしかないと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。

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